が相触れた神秘な瞬間に、はやその二つは蝋着《ろうちゃく》してしまった。それら二つの魂が相見《まみ》えた時、両者は互いに求め合っていたものであることを感じて、互いに堅く抱き合ってしまった。
最も深い絶対的な意味において、言わば墳墓の壁によってすべてのものからへだてられて、ジャン・ヴァルジャンは鰥夫《やもめ》であり、コゼットは孤児であった。そしてそういう境涯《きょうがい》のために、天国的にジャン・ヴァルジャンはコゼットの父となった。
実際シェルの森の中で、やみの中にジャン・ヴァルジャンの手がコゼットの手を執ったとき、コゼットの受けた神秘な印象は、一つの幻影ではなくて現実であった。その子供の運命のうちにその男がはいってきたことは、神の出現であった。
それにまた、ジャン・ヴァルジャンは隠れ家《が》をよく選んでいた。彼はほとんど欠くるところなき安全さでそこにいることができた。
彼がコゼットとともに住んだ別室付きの室《へや》は、大通りに面した窓のついてる室だった。その窓はこの家のただ一つのものだったから、前からも横からも隣人に見らるる恐れは少しもなかった。
この五十・五十二番地の建物の一
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