パプロットに対するフランス軍右翼の攻撃は真剣なものであった。イギリス軍の左翼を敗走せしめ、ブラッセルからの道を断ち切り、あるいはきたるべきプロシア軍の通路をさえぎり、モン・サン・ジャンを強取し、ウェリントンをウーゴモン方面にしりぞけ、それよりブレーヌ・ラルー方面にしりぞけ、更にハール方面に追うこと、それは最も確実なことであった。ただ二、三の事件を外にしては、その攻撃は成功した。パプロットは占領され、ラ・エー・サントは奪取された。
 ここに特記すべき一事がある。イギリスの歩兵のうちには、ことにケンプトの旅団のうちには、多くの新兵がいた。それらの若い兵士らは、フランスの恐るべき歩兵に対してきわめて勇敢であった。彼らは無経験のためかえって大胆にやってのけた。ことにみごとな散兵戦を行なった。散兵戦における兵士は、多少各自に開放されて、いわば自ら自分の指揮官となるものである。それらの新兵は、フランス兵に似寄ったある巧妙さと勇猛さとを現わした。その未熟な歩兵は活気を有していた。しかしそれはウェリントンのあまり喜ばないところであった。
 ラ・エー・サントの占領後、戦いは混乱をきたした。
 その
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