と不快の念を覚ゆることがある。
民約議会員は息をあえぎはじめた。臨終の呼吸に交じり来る苦痛の息切れは、彼の言葉を妨げた。それでも彼はなお、目のうちにはまったく明瞭《めいりょう》な精神を宿していた。彼は続けて言った。
「なおかれこれ数言費やしてみましょう。全体としては広大なる人類的肯定である革命の外にあって、九三年は不幸にも一つの抗弁です。あなたはそれが苛酷であると言わるる。しかしすべて王政時代はどうですか。カリエは盗賊であるとするも、しかしあなたはモントルヴェルにいかなる名前を与えるのですか。フーキエ・タンヴィールは乞食《こじき》であるとするも、しかしラモアニョン・バーヴィルについてあなたはいかなる意見をいだいているのですか。マイヤールは恐るべきであるとするも、しかしソー・タヴァンヌはいかがです。老デュシェーヌは獰猛《どうもう》であるとするも、しかし老ルテリエに対してあなたはいかなる形容をするのですか。ジュールダン・クープ・テートは怪物であるとするも、しかしルーヴォア侯ほどではなかった。私は大公妃にして女王であったマリー・アントアネットをあわれに思う。しかし私はまた、ルイ大王の時に、
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