彼自身の戦いのごときは、人間同士の戦いのごときは、この巨大な白熱戦の中に消え失せてしまった。そこでは日の光が嵐《あらし》に吹かるる雪片のように雨降っていた……。クリストフは自分の魂を脱ぎ捨ててしまった。夢の中で宙にぶら下がってるのと同じように、彼は自分自身の上方を飛んでいて、事物の全体中に高くから自分をながめた。自分の苦しみの意義が、一目でわかってきた。彼の闘争は世界の大戦闘の一部をなしていた。彼の敗北は些事《さじ》であって、すぐに回復されるものだった。彼は万人のために戦っていたし、万人も彼のために戦っていた。万人が彼の苦難に与っていたし、彼も万人の光栄に与《あずか》っていた。
――味方の者らよ、敵の者らよ、進み行き、俺《おれ》を踏みつぶせよ。勝利を得る砲車の通過を、俺の身体の上に感じさせよ。俺は俺の肉体を粉砕する鉄火のことを考えず、俺の頭を踏みつぶす足のことを考えない。俺の復讐者[#「復讐者」に傍点]のこと、上帝[#「上帝」に傍点]のこと、無敵の軍勢の首長[#「首長」に傍点]のこと、それを俺は考えている。俺の血は彼の未来の勝利のセメントとなるのだ……。
神は彼にとっては、無感無
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