は解放された。魂の奥底に積もってるすべてのもの、嫉妬《しっと》、ひそかな憎悪、不純な好奇心、社会的動物に固有な悪意の本能などが、意趣返しの喜びをもって一度に騒然と爆発した。各人が往来へ飛び出し、用心深い仮面をつけて、広場のまん中で、嫌《いや》な奴を晒《さら》し台に上せ、気長な努力で一年間に知り得たすべてのことを、一滴一滴よせ集めた醜悪な秘密の宝全部を、通行人に見せつけてはばからなかった。ある者は車の上から大袈裟《おおげさ》に触れ歩いた。ある者は町の内緒話を文字や絵に書き現わした透かし燈籠《どうろう》を、方々へもち回った。ある者は敵の仮面をさえつけていて、しかもその仮面がすぐに見分けられるほどだったから、町の餓鬼小僧どもはその実名を名ざすことができた。幾つもの悪口新聞が、その三日の間に現われた。社交界の人々も多少、この諷刺《ふうし》の悪戯《いたずら》にこっそり関係していた。なんらの取り締まりも行なわれていなかった。ただ政治に関する事柄は例外だった――というのは、その辛辣《しんらつ》な自由の振る舞いが、町の当局者と他国の代表者らとの間に、何度も紛擾《ふんじょう》の原因となったからである。し
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