、やすやすとその決定を承知しようとしなかった。一方の娘はその不信実さに腹をたてた。悪口の言い合いから、ついになぐり合いになり、つぎに刃物|沙汰《ざた》にまでなった。それから突然風向きが変わった。二人は泣きながら抱擁し合い、別々に離れては生きられないと誓った。それでも、二人して情人を共有するだけの諦《あきら》めはつけられなかったので、情人を殺すことにきめた。そしてそのとおりに行なった。ある夜、二人の恋人は情人を室に呼びよせた。情人は二重の幸運に得意になってやって来た。そして一人の娘が彼を両腕で熱烈に抱きしめてる間に、も一人の娘は同じく熱烈に彼の背中へ短剣を刺し通した。彼の叫び声が漏れ聞こえた。人々はやって来て、憐《あわ》れな状態になってる彼を二人の恋人の抱擁から引き離した。そして二人を捕縛した。彼女たちは他人の関係したことではないと主張し、事件の関係者は自分たちばかりであって、自分たちのものであるその男を厄介《やっかい》払いしようと心を合わせたとき以来、だれも関与すべきではないと主張した。被害者もその説を承認しがちだった。しかし法廷はそれを理解しなかった。そしてブラウンもやはり理解してい
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