にする。しかし実際には、愛もなく、憎もなく、友もなく、敵もなく、信仰もなく、熱情もなく、善もなく、悪もない。ただあるものは、数世紀来死滅してる恒星《こうせい》から落ちてくる、それらの光の冷たい反映のみである……。友というのか? その名称を要求する者は乏しくない……。がそれもいかに無味乾燥な現実だろう。世間普通の意味では、そういう人々の友情とはいかなるものであるか、いったい友情とはいかなるものであるか。友であるとみずから思ってる人も、その生活の幾何《いくばく》の分秒を、自分の友の蒼《あお》ざめた思い出に分かち与えるであろうか。必要でさえもないもの、余分のものや隙《ひま》や退屈、それをどれだけ友にささげるであろうか。自分クリストフは何をオリヴィエにささげてきたか――(というのは、クリストフはすべての人間を一|括《かつ》した虚無から、自分をもけっして取り除かなかった、ただオリヴィエだけを取り除いていた。)――芸術ももはや愛と同じく虚偽なものである。芸術は実際のところ人生にいかなる地位を占めているか。芸術に愛着してると自称する人々も、いかなる愛でそれを愛しているか……。人間の感情の貧弱さは想像
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