た。クリストフは、そのわざわざ声をひそめた沈黙が気にさわって、やはり今までどおりの暮らし方をしてくれとブラウンに願わなければならなかった。
それからあとは、もうだれもクリストフに構わなかった。クリストフは室の片隅に幾時間もすわっていたり、あるいは家の中を歩き回ったりして、あたかも夢みてる人のようだった。何を考えていたのか? 自分でもそれを言い得なかったであろう。苦しむだけの力さえももうほとんどもっていなかった。困憊《こんぱい》の極に達していた。心の干乾《ひから》びたことが恐ろしかった。彼はただ一つの願望しかもっていなかった、すなわち、彼[#「彼」に傍点]といっしょに埋められ、すべてが終わること。――一度彼は庭の扉《とびら》が開いてるのを見て、外に出てみた。しかし外光の中に出ると非常に苦しい心地がして、急いで家の中にもどり、雨戸を閉ざして室に蟄居《ちっきょ》した。晴天の日を彼は苦にした。太陽の光をきらった。自然の荒々しい晴朗さに圧倒された。食卓では、ブラウンが勧めてくれるものを黙って食べ、眼をテーブルの上に伏せて口をつぐんでいた。ブラウンはある日客間で、彼にピアノを指《さ》し示した。彼
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