特徴たるいつもの感情の陰謀を、芝居に導き入れていた。父祖を恥じてる息子《むすこ》どもが、民族の意識を打ち消さんとつとめていた。そしてうまく成功していた。古臭い自分らの魂を赤裸になした後、彼らに残ってる性格と言えば、他民族のあらゆる知的道徳的価値を混ぜ合わせるということばかりだった。彼らは諸種の民族で、一つのマケドニア人を、一つの雑炊[#「雑炊」に傍点]を、作り上げていた。それが彼らの享楽方法だった。パリーの芝居の頭《かしら》立った人々は、汚辱と感情とをこね合わせること、美徳に悪徳の匂いを与えること、悪徳に美徳の匂いを与えること、年齢や性や家族や愛情の諸関係をかき回すこと、などに秀《ひい》でていた。かくて彼らの芸術は、それ独特の[#「独特の」に傍点]臭みをもっていた。その臭みは、よいとともに悪いもので、言い換えれば、ごく悪いものだった。彼らはそれを「非道徳主義」と名づけていた。
 彼らが当時好んで用いていた主人公の一人は、恋してる老人であった。彼らの芝居には、そういう老人の姿がたくさん並んでいた。彼らはそういう類型的人物を描写するに当たって、機微にわたる多くの事柄を並べたてていた。あるい
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