追い返されてしまった。彼ら自身も彼女がどこへ行ったか知らなかった、そして平気でいた。クリストフは、悪いことをしたという考えに悩まされた。それは絶え間ない苛責《かしゃく》だった。なおそれには、消え去った彼女の眼から彼の上へ静かに輝き渡る神秘な誘惑が、つけ加わっていた。その誘惑と苛責とは、新しい日月と新しい考えとの波に覆《おお》われて、消えてゆくようにも思われた。しかし底の方に人知れず残存していた。クリストフは彼女を自分の犠牲と呼んで、少しも忘れなかった。も一度めぐり会おうとみずから誓った。その再会がいかに望み少ないかはよくわかっていた。しかもかならず再会することができると信じていた。
コリーヌの方は、彼が書き送る手紙に少しも返事をくれなかった。しかし三か月後に、彼がもう何にも待っていない時に、四十語の電報が届いた。その中で彼女は、うれしげなつまらないことを言い散らし、彼に親しげなかわいい言葉をかけ、「相変わらず愛し合ってるのね」と尋ねていた。それからなんの便りもなくて一年ばかり過ぎた後、子供らしい曲がりくねった大きな字体で、しかも貴婦人らしく見せかけようとつとめながら書きなぐった、一片
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