なふうにならせたのかと詰問した。
アマリアはそれを非常に悪くとった。自分の勝手なことを言ったまでであると答え、自分の行いをだれにも報告する必要はない――まして彼に報告する必要はない、と答えた。そして日ごろ用意していた言葉を言ってやるために、その機会に乗じてつけ加えた、もしルイザが悲しんでるなら、その理由は彼自身の行状以外に捜すに及ばない、彼の行状は、彼自身にとっては恥辱であり、他のすべての人にとっては醜怪事であると。
クリストフが攻撃を始めるには、向うからの一つの攻撃で充分だった。彼は激昂《げっこう》して叫んだ、自分の行状は自分だけに関するものであること、自分の行状がフォーゲル夫人の気に入ろうが入るまいが、そんなことはいっこう構わないこと、もし不平を言いたければ、自分に向って言ってもらいたいこと、言いたいことはなんでも自分に向って言えるはずだということ、言われたって自分は雨が落ちかかったほどにも思わないということ、しかし自分は断じて禁ずる[#「禁ずる」に傍点]――(よく聞くがいい)――何一つ母に言うのを禁ずる[#「禁ずる」に傍点]ということ、そして、病身の年老いた憐《あわ》れな女を
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