もありません!
 私にはあなたの令嬢を愛するの権利がないということを、あなたはきびしく私に覚《さと》らしてくださいました。しかし世に何物も、愛する者を愛する私の心を、妨げることはできません。私はあなたと同じ階級には属していないとしましても、あなたと同じく貴族であります。人間を貴《とうと》くするものは心です。私は伯爵《はくしゃく》ではないにしても、多くの伯爵以上の名誉を、おそらく自分のうちにもっています。従僕にしろ伯爵にしろ、私を侮辱する時には、私はそれを軽蔑します。魂の貴さを具えないなら、たとい貴族だと自称しても、私はそれを泥土《どろつち》のように軽蔑します。
 さようなら! あなたは私を見誤りました。あなたは私を欺きました。私はあなたを蔑《さげす》みます。
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あなたの意に反してミンナ嬢を愛し、死ぬまでミンナ嬢を愛する者。――彼女は彼のものであり[#「彼女は彼のものであり」に傍点]、何物も彼より彼女を奪うことをえません。
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 彼はその手紙を郵便箱に投げ込むや否や、すぐに自分のしたことが恐ろしくなった。もうそれを考えまいとした。しかしある文
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