いう時彼は、待ちかねて足をふみ鳴していた。彼は迷信家になって、ちょっとしたしるし――暖炉の火のはじく音や、偶然に言われた言葉など――の中に、手紙が来るという信念を捜し求めた。その時刻が一度過ぎ去ると、また悄然《しょうぜん》としてしまった。もう仕事もしなければ、散歩もしなかった。生存の唯一の目的は、次の郵便配達夫を待つことであった。そしてそれまで我慢して待つのに、ありったけの元気を費やした。しかし晩となって、もうその日は希望がなくなると、すっかり落胆しつくした。翌日までは生きておれそうにも思えなかった。いく時間もじっとして、テーブルの前にすわり、口もきかず、考えもせず、寝るだけの力もなかったが、しまいには、わずかに残ってる意志でようやく床にはいるのだった。そして重苦しい眠りに入り、馬鹿《ばか》げた夢ばかりみて、その夜がいつまでも終らないもののように考えられた。
 そういうたえざる期待は、ついにほんとうの病気になりかけた。そのためにクリストフは、手紙を受取りながら自分に隠してるのではないかと、父を疑い、弟どもを疑い、郵便配達夫をさえ疑うようになった。彼は不安の念にさいなまれた。ミンナの信実
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