った。数言でクリストフを冷評し去った。彼女は他意あってそうするのではなくて、自分の物を護《まも》りたいという女にありがちな浅はかな性質から、本能的に行なっていたのである。ミンナはそれに逆らい、不平顔をし、粗暴な言葉を使い、母の観察は嘘だと頑固《がんこ》に否定しようとしたが、無駄《むだ》であった。その観察はあまりに確かすぎていた。そしてケリッヒ夫人は、図星をさす残酷な技能をもっていた。クリストフの靴《くつ》の大きいこと、服の醜いこと、埃《ほこり》をよく払ってない帽子、田舎訛《いなかなま》りの発音、可笑《おか》しなお辞儀の仕方、高声の賤《いや》しさ、すべてミンナの自尊心を傷つけるようなことを一つも言い忘れなかった。だがそれは事のついでにもち出される意見にすぎなかった。決して非難の形をとって現われて来はしなかった。ミンナがいらだって、威丈高《いたけだか》に答え返そうとすると、ケリッヒ夫人は事もなげに、もう他のことを言っていた。しかしその刺《とげ》は残っていて、ミンナはそれに傷つけられた。
ミンナは以前ほど寛大な眼ではクリストフを眺めなくなった。彼はそれを漠然と感じて不安そうに尋ねた。
「ど
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