うして私をそんなに見るんです?」
 彼女は答えた。
「なんでもないわ。」
 しかしすぐその後で彼女は、彼がはしゃいでいると、あまり騒々《そうぞう》しく笑うと言ってきびしく非難した。彼は驚いた。笑うのにも彼女に気がねをしなければならないとは思いもよらないことだった。彼の喜びはすべて害された。――あるいはまた、彼がすっかり我を忘れて夢中にしゃべっていると、彼女は他に心を向けてるような様子でその話をやめさせ、彼の服装についてあまりありがたくない注意をしたり、または攻撃的な物知り顔で、彼の下品な言葉使いを指摘したりした。彼はもう口をききたくなく、時には機嫌《きげん》を損ずることもあった。がその次には、自分をいらだたせるそういうやり方も、ミンナが自分に愛情をいだいてる証拠であると思い込むのだった。そして彼女の方でもそう思い込んでいた。彼は殊勝にも彼女の注意に従って欠点を直そうとした。彼女はあまり満足しなかった。なぜなら彼はどうもうまく欠点を直せなかったから。
 しかし彼は彼女のうちに起こってる変化に気づくだけの暇《ひま》がなかった。復活祭が来た。ミンナは母とともに、ワイマールの方の親戚《しんせき
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