あるか、ほとんど思いもつかなかった。クリストフはまったく清教徒《ピューリタン》的な一徹の心をそなえていた。その心は人生の汚辱を許すことができなかったし、それをしだいに見出してゆくごとに恐怖していた。十五歳になりながら、自由な生活をし強い本能をもっていたにもかかわらず、彼はまだ不思議なほど無邪気だった。生来の純潔さと休みなき勤労とのために、庇護《ひご》されていた。ところが弟の言葉は、彼に深淵を開いてみせた。彼は自分の身にそういう醜汚をかつて想像だもしなかった。そして今、その観念が心のうちにはいってくると、愛し愛される喜びがすべて害されてしまった。オットーにたいする自分の友情ばかりでなく、あらゆる友情が毒されてしまった。
さらにひどいことには、ある厭味なあてつけの言葉を聞いてからは、自分がこの小さな町の不健全な好奇心の的になってると、おそらく誤解ではあったろうが、彼は思い込んでしまった。とくに、それからしばらくたって、オットーとの散歩についてメルキオルから注意を受けた。おそらくメルキオルは、悪意に解釈していたのではなかったろう。しかしクリストフは、前からのことが頭にあったので、いかなる言
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