せん》なことを述べたてた。クリストフはたけりたつまいと一生懸命に我慢した。がついに悪口の意味がわかると、かっと逆《のぼ》せてしまった。椅子《いす》から飛び上がった。エルンストは声をたてる隙《ひま》もなかった。クリストフは彼の上に飛びかかり、室のまんなかで彼と組打をし、床《ゆか》に彼の頭をたたきつけた。被害者の恐ろしい叫び声をきいて、ルイザも、メルキオルも、家じゅうの者が駆けつけて来た。ひどい目に会ってるエルンストを、皆で助け出した。クリストフは放そうとしなかった。放させるには殴りつけなければならなかった。皆は彼を野獣だと呼んだ。彼は実際野獣のような様子をしていた。眼をむき出し、歯ぎしりをし、ふたたびエルンストに飛びかかろうとばかり考えていた。どうしたのかと尋ねられると、彼の狂暴はますますつのった。エルンストを殺してやると怒鳴った。エルンストも訳を話すことを拒んだ。
クリストフは食べることも眠ることもできなかった。彼は寝床の中で震え泣いた。彼が苦しんでるのは、ただオットーのためばかりではなかった。彼のうちに一つの革命が起こっていた。エルンストには、兄に与えた苦悶《くもん》がどんなもので
前へ
次へ
全221ページ中121ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
ロラン ロマン の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング