るほど高価だった。クリストフはその新しい衣裳をつけるとたいへんぎごちなかった。それに慣らすために、何度も衣裳をつけて楽曲を稽古《けいこ》させられた。一月も前から、彼はもうピアノの腰掛を離れなかった。また挨拶《あいさつ》のしかたも教えられた。自由になる時は一瞬もなかった。彼は苛《い》ら立っていたが、しかしあえて逆らいはしなかった。晴れの業《わざ》をやるんだと考えていたから。そして得意でもあったが心配でもあった。そのうえ、皆から大事にされていた。風邪《かぜ》をひきはしないかと気遣われた。絹ハンカチで首を巻いてもらった。湿らないように靴をあたためてもらった。食卓ではいちばんいい物を食べさせられた。
ついに晴れの日がやってきた。理髪師は身支度の指図にやって来て、クリストフの硬《かた》い髪を縮らしてくれた。羊のような巻毛をこしらえないうちは彼を放さなかった。家じゅうの者がクリストフの前に並んで、りっぱになったと言った。メルキオルは彼の顔を見調べ、方々から眺めた後、額をたたいて、大きな花を捜しに行き、それを彼のボタンの穴にさしてくれた。しかしルイザは、彼の姿を見ながら、両腕を天の方へ差上げて、猿
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