歳に達しております。そして先ごろから私のミューズの神は、霊感のさなかに幾度となく、私の耳へささやいてくだされました。「あえてせよ、あえてせよ! 汝《なんじ》の魂の和声《ハーモニー》を書けよ!」――私は考えました。「六歳で、どうして私はあえてなされよう! 芸術の識者たちになんと言われるであろう?」――私はためらいました。私は震えました。けれども私のミューズの神は望んでいられます。……私は従いました。私は書きました。
そして今私は、
いと崇高《けだか》き殿下よ!
玉座の階段《きざはし》におこがましくも、私の幼い仕事の処女作を、ささげたいのでありまする。畏《かしこ》き御推賛の情け深き御瞳《おひとみ》を、この処女作の上にくだしたまわらんことを、厚かましくも希《こいねが》いたいのでありまする。
それと申しまするのも、学問と芸術は常に、賢明なるメセーナとして、寛大なる擁護者として、殿下を御仰ぎ奉ったのでありますから。そして才能は、聖《きよ》き御保護の楯《たて》の下に、花を咲かせるのでありまするから。
右の深く確かな信念をいだいておりまする私は、この幼き試作をささげましてあえてお側《そば》
前へ
次へ
全221ページ中199ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
ロラン ロマン の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング