へ進みまする。なにとぞ私の尊敬の念の清い捧物《ささげもの》としてお受けくださりませ。そしてお恵みをもちまして、
 いと崇高《けだか》き殿下よ!
 この作品の上に御眼を垂れたまい、また恭《うやうや》しく御足下に伏し奉る幼き作者の上に、御眼を垂れてくださりませ!

 いと畏きいと崇高き殿下の
        全き謙譲忠実柔順なる僕《しもべ》、
[#ここで字下げ終わり]
[#地から2字上げ]ジャン・クリストフ・クラフト

 クリストフの耳には何にもはいらなかった。彼はなし終えたので夢中に喜んでいた。そしてまた書き直させられはすまいかと恐れて、野の中へ逃げ出した。何を書いたのか少しもわからなかったし、またちっとも気にしてはいなかった。しかし老人は、読み終った後、なおよく玩味《がんみ》するためにも一度読み直した。それが済むと、メルキオルも老人もともに、まったくりっぱな出来だと断言した。楽譜の写本といっしょにその手紙をささげられた大公爵も、同じ意見であった。彼は両方ともみごとな技功だと言ってくれた。彼は音楽会を許可し、音楽院の広間をメルキオルの勝手に使用させるよう命じ、またみずから演奏に臨む日には
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