ったが、見たところでは五十歳かその上にも思われた。皺《しわ》寄った赤味がかった小さな顔をして、人のよさそうな青い眼は、やや色|褪《あ》せた瑠璃草《るりそう》のようにごく蒼白《あおじろ》かった。隙間《すきま》風が当たるのを恐れてどこででも寒そうに帽子をかぶっていたが、その帽子をぬぐと、円錐《えんすい》形の赤い小さな禿頭《はげあたま》が現われた。クリストフと弟たちはそれを面白がった。髪の毛をどうしたかと尋ねたり、メルキオルの露骨な戯言《ざれごと》に乗せられて禿《はげ》をたたくぞとおどかしたりしながら、彼らはいつもそのことで彼をからかって倦《あ》きなかった。すると彼はまっ先に笑い出して、されるままになって少しも怒らなかった。彼は小さな行商人であった。村から村へと渡り歩いていた。背にかついでる大きな梱《こり》の中には、あらゆる物がはいっていた、香料品、紙類、糖菓類、ハンケチ、襟巻《えりまき》、履物《はきもの》、罐詰《かんづめ》、暦《こよみ》、小唄《こうた》集、薬品など。家の人たちは幾度も、ちょっとした店の株を、雑貨屋や小間物屋を買い与えて、そこに落着くように勧めたことがあった。しかし彼は腰を据
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