いことが起こるということを感じた。そして見たくてたまらなくなりながらも、たいへん恐《こわ》がっていた。暴風雨が起こることを知っていて、雷に打たれはしないかを恐れていた。戦《いくさ》があることを知っていて、自分も殺されはすまいかとびくびくしていた。前日、寝床の中で、彼はほんとうに苦しんだ。開演の日になると、祖父が何かさしつかえで来られなくなればいいがと願いたいくらいだった。しかし時間が迫ってくるのに祖父がやって来ないと、非常に悲しくなりだして、たえず窓から覗《のぞ》いた。ついに老人はやって来、二人はいっしょに出かけた。彼は胸がどきどきした。舌が乾ききって、一言も物をいうことができなかった。
彼らは家でしばしば話の種になってるその不思議な殿堂に到着した。入口でジャン・ミシェルはいく人もの知人に出会った。子供は彼にはぐれるのを非常に恐れて、強くその手にすがりついていた。そしてこんな場合にどうして皆が平然と話したり笑ったりしていられるか、少しもわからなかった。
祖父は管弦楽《オーケストラ》の後ろの第一列の定席についた。彼は手摺《てすり》によりかかって、すぐにバスひきとのべつに話をやり出した
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