されちゃア、とても堪《たま》らない。」
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「父《とう》さんが、わたしを食《た》べた、」
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というと、おかみさんは、まるで死《し》んだように、ばったりと倒《たお》れました。
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「妹《いもうと》のマリちゃんが、」
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「ああ、」とマリちゃんが言《い》った。「わたしも行《い》って見《み》ましょう。鳥《とり》が何《なに》かくれるかどうだか、出《で》て見《み》るわ!」
そう言《い》って、外《そと》へ出《で》ました。
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「わたしの骨《ほね》をのこらず拾《ひろ》って、
 手巾《はんけち》へ包《つつ》んで、」
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と言《い》って、鳥《とり》は靴《くつ》を妹《いもうと》の上《うえ》へ落《おと》しました。
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「杜松《ねず》の樹《き》の根元《ねもと》へ置《お》いた。
 キーウィット、キーウィット、何《なん》と、綺麗《きれい》な鳥《とり》でしょう!」
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と歌《うた》うと、マリちゃんも忽《たちま》ち、軽《かる》い、楽《たの》しい気分《
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