[#ここから2字下げ]
「母《かあ》さんが、わたしを殺《ころ》した、
 父《とう》さんが、わたしを食《た》べた、
 妹《いもうと》のマリちゃんが、
 わたしの骨《ほね》をのこらず拾《ひろ》って、
 手巾《はんけち》に包《つつ》んで、
 杜松《ねず》の樹《き》の根元《ねもと》へ置《お》いた。
 キーウィット、キーウィット、何《なん》と、綺麗《きれい》な鳥《とり》でしょう!」
[#ここで字下げ終わり]
 歌《うた》ってしまうと、鳥《とり》は靴屋《くつや》の店《みせ》へ飛《と》んで行《ゆ》き、家根《やね》の上《うえ》へ棲《と》まって、歌《うた》いました。
[#ここから2字下げ]
「母《かあ》さんが、わたしを殺《ころ》した、
 父《とう》さんが、わたしを食《た》べた、
 妹《いもうと》のマリちゃんが、
 わたしの骨《ほね》をのこらず拾《ひろ》って、
 手巾《はんけち》に包《つつ》んで、
 杜松《ねず》の樹《き》の根元《ねもと》へ置《お》いた。
 キーウィット、キーウィット、何《なん》と、綺麗《きれい》な鳥《とり》でしょう!」
[#ここで字下げ終わり]
 靴屋《くつや》はこれを聞《き》くと、
前へ 次へ
全29ページ中16ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
グリム ヴィルヘルム・カール の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング