、そこはどろぼうの家で、中にはこうこうと灯《ひ》がともっていました。
ろばは、なかまでいちばんのせいたかのっぽなので、窓のところまで行って、中をのぞいてみました。
「親方、なにかあったかね。」と、おんどりはたずねました。
「どうして、あったかどころのさわぎじゃないぞ。」と、ろばはこたえました。「ちゃんとテーブルごしらえがしてあって、けっこうなごちそうと、のみものが、山とならんでいるよ。どろぼうども、てんでに、はちきれそうな顔で、よろしくやってるところさ。」
「そいつをものにしようじゃないか。」と、おんどりはいいました。
「うん、うん、どうしたってわりこまなきゃあな。」と、ろばはいいました。
そこで、まず、どろぼうどもを追っぱらうには、どうすればいいかと、四人組の動物は、相談《そうだん》をはじめましたが、やがていいくふうがみつかりました。
ろばは、前足を窓にのせることになりました。犬は、ろばのせなかにとびあがることにしました。ねこは犬のせなかによじのぼることにしました。おしまいに、おんどりが、ばさばさととびあがって、ねこの頭の上にのっかりました。いよいよしたくができあがると、一、二
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