杜松の樹
グリム
中島孤島訳
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)大昔《おおむかし》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)二千|年《ねん》も
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#ここから割り注]
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むかしむかし大昔《おおむかし》、今《いま》から二千|年《ねん》も前《まえ》のこと、一人《ひとり》の金持《かねも》ちがあって、美《うつ》くしい、気立《きだて》の善《い》い、おかみさんを持《も》って居《い》ました。この夫婦《ふうふ》は大層《たいそう》仲《なか》が好《よ》かったが、小児《こども》がないので、どうかして一人《ひとり》ほしいと思《おも》い、おかみさんは、夜《よる》も、昼《ひる》も、一|心《しん》に、小児《こども》の授《さず》かりますようにと祈《いの》っておりましたが、どうしても出来《でき》ませんでした。
さてこの夫婦《ふうふ》の家《うち》の前《まえ》の庭《にわ》に、一|本《ぽん》の杜松《としょう》がありました。或《あ》る日《ひ》、冬《ふゆ》のことでしたが、おかみさんはこの樹《き》の下《した》で、林檎《り
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