新らしき祖先
相馬泰三

−−
【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)或《あ》る

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)農林学校|出身《で》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「鼾のへん+嗅のつくり」、第4水準2−94−73]

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)ぢく/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
*半濁点付きの二倍の踊り字は「/゜\」
−−

       一

 或《あ》る年の、四月半ばの或る晴れた日、地主宇沢家の邸裏《やしきうら》の畑地へ二十人ばかりの人足が入りこんで、お喋舌《しやべり》をしたり鼻唄《はなうた》を唄つたりして賑《にぎや》かに立働いてゐた。或る者は鋤《すき》を持つて溝《みぞ》を掘り、或る者はそこから掘上げられた土を運んで、地続きになつてゐる凹《くぼ》みの水溜《みづたまり》を埋めてゐ、また或る者は鍬《くは》の刃を時々キラキラ[#「キラキラ」に傍点]と太陽の光に照返へらせながら去
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