天地有情
土井晩翠
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)黒暗《くらやみ》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)我|魂《たま》を
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)見る/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
〔〕:アクセント分解された歐文をかこむ
(例)〔Ou`〕
アクセント分解についての詳細は下記URLを參照してください
http://www.aozora.gr.jp/accent_separation.html
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序
「或は人を天上に揚げ或は天を此土に下す」と詩の理想は即是也。詩は閑人の囈語に非ず、詩は彫虫篆刻の末技に非ず。既往數百年間國詩の經歴に關しては余將た何をか曰はん。思ふに所謂新躰詩の世に出でゝより僅に十餘年、今日其穉態笑ふべきは自然の數なり。然れども歳月遷り文運進まば其不完之を將來に必すべから
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