醉ひぬるをとめごか
あらしのうちに樂《がく》を聞き
あら野のうちに花を見る。
詩人よ君を譬ふれば
世の罪しらぬをさなごか
口には神の聲ひゞき
目にはみそらの夢やどる。
詩人よ君を譬ふれば
八重の汐路の海原か
おもてにあるゝあらしあり
底にひそめるまたまあり。
詩人よ君を譬ふれば
雲に聳ゆる火の山か
星は額にかゞやきて
焔の波ぞ胸に湧く。
詩人よ君を譬ふれば
光すゞしき夕月か
身を天上にとめ置きて
影を下界の塵に寄す。
夕の思ひ
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〔“Ou` va l'esprit dans l'homme ? Ou` va l'homme sur terre ?〕
〔 Seigneur ! Seigneur ! Ou` va la terre dans le ciel ?”〕
Hugo : Les Feuilles d'Automne.
“O life as futile, then, frail !
O for thy voice to soothe and bless !
What hope of answer, or redres
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