「とても、いいニュース。明日の晩、来てほしいという、ガーデイナアのおくさんの正式招待状よ。」と、メグはその手紙を嬉しそうに読みました。
「大晦日の晩に、小宅で舞踏会を催します。ミス・マーチ、ミス・ジョセフィン、お二人とも御光栄下されたく存じます。ガーデイナア夫人――おかあさんはいってもいいって。だけど、あたしなにを着ていこうかしら?」
「そんなこと、きいたってだめよ。ポプリンの服しかないんだから、あれを着ていくほかないの知ってるくせに。」と、ジョウは、林檎を口いっぱいほおばっていいました。
 さあ、それから、メグは、絹の服があればいいとか、手袋のいいのがないとか、くよくよと、こだわってばかりいましたが、ジョウは服に焼けこがしがあるけど、平気が着ていくし、手袋なしですますつもりでした。ジョウにとっては、そんなことたいして心わずらすことではありませんでした。
「あたしのことは心配しないでいいわ。できるだけ、おすましして、しくじらないように気をつけるわ。それでは返事を出しなさいよ。」
 そこで、メグは、服の用意にとりかかるために出ていき、ジョウは、なおしばらく林檎を[#「林檎を」は底本では「
前へ 次へ
全262ページ中31ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
水谷 まさる の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング