た服を見ながらため息をつきました。
「ある少女が、いいものをたくさんもち、ある少女が、ちっとも、もたないなんて、不公平だと思うわ。」と、小さいエミイは、鼻をならしながらいいました。
「でもね、あたしたちは、おとうさんもおかあさんもあるし、こうして姉妹があるんだもの、いいじゃないの。」と、ベスが、すみのほうから満足そうにいいました。
 ストーブの火に照らしだされた四つのわかわかしい顔は、この快活な言葉でいきいきとかがやきましたが、ジョウが悲しそうに、
「だって、おとうさんは従軍僧で戦争にいっておるすだし、これからも長いことお目にかかれないと思うわ。」と、いったとき、またもやくらい影におおわれ、だれもしばらく口をききませんでした。けれど、やがてメグが調子をかえて、
「おかあさんが、今年のクリスマスは、プレゼントなしとおっしゃったのは、みんな暮しがつらくなるし、兵隊さんたちが戦争にいっているのに、たのしみのためにお金を使うのはいけないと、お考えになったからよ。あたしたち、たいしたことはできないけど、すこしの犠牲ははらえるし、よろこんではらうべきだわ。でも、あたしはらえるかしら?」
 メグは、
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