い手本を示しました。すなわち、ハンナにとっては、はたらくということが、たいていの心配ごとをなおす良薬でありました。
「神さまが、だんなさまをお守り下さいます。わたしは泣いてばかりいられません。おくさまがおたちになる仕度をしなければなりません。」と、ハンナは真心からいって、涙をエプロンでぬぐい、そのかたい手でマーチ婦人の手をにぎって、人一倍はたらくために出てきました。
「ハンナのいうとおりです。泣いているときではありません。みんなおちついてちょうだい。そしておかあさんに考えさせておくれ。」
 おかあさんが、あおざめた顔をしながらも、気をとりなおして悲しみをおさえ、娘たちのためにいろいろ考えはじめたとき、娘たちも気をおちつけようとしました。
「ローリイはどこ?」と、おかあさんは、まず第一になすべきことをきめたのです。
「ここにいます。おばさん、どうぞなにかさせて下さい。」と、ローリイは、いそいでとなりの部屋から出て来ました。かれはこの一家の人たちの悲しみのなかに、いかに親しくても、まじってはならぬと思って、となりの部屋にしりぞいていたのです。
「あたしが、すぐ出発するという電報をうって下さ
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