くと、ペンをなげ出していいました。
「さあ、できあがった、これでだめなら、もっとよく書けるまで待たなくてはならない。」
 ソファにころりとあおむきになり、ジョウは念入りに原稿を読みなおし、ところどころに、線をひいたり、感嘆符をつけたりしました。それから、あかいリボンでとじました。この屋根部屋のジョウの机は、かべにとりつけてある古いブリキの台所用のたなでした。ジョウは、そのなかへ原稿用紙や二三冊の本をしまいこんで、ねずみの、がりがりさんに、荒らされないようにしました。がりがりさんは、やっぱり文学好きで、原稿用紙や本をよくかじるからです。ジョウは、ブリキのいれものからもう一つの原稿をとり出し、今書きおわった原稿といっしょに、ポケットにねじこんで階段をおりました。それから、こっそり家を出て、通りがかりの乗合馬車をよびとめてのり、いかにもたのしそうな、秘密ありそうな顔つきで、町のほうへいきました。
 町へ来たジョウは、大いそぎで、あるにぎやかな通りの、ある番地まで突進しました。やっとある家をさがし出しましたが、そのきたない階段を見あげると、じっと立ちどまっていましたが、きゅうに、また大いそぎで
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