おかあさん、それで、荷物ってどこにありますの!」と、エミイが尋ねました。
「ベスのほかは、みんながじぶんの荷物が、なにか、いいましたよ。ベスは、きっとなにもないのでしょう。」
「いいえ、ありますが、あたしのはお皿とはたきと、いいピアノをもっている娘をうらやむしがることですわ。」
「それでは、みんなでしましょう。巡礼ごっこというのは、よい人になろうと努めることね。」
メグは、考えこむように、そういいました。
「あたしたちは、今夜は、絶望の沼[#「絶望の沼」に傍点]にいたのね、すると、おかあさんが来て、あの本のなかで、救助[#「救助」に傍点]がやったように、ひきあげて下すったんです。だけど、掟の巻物を、どうしましょう?」
ジョウが、そういうと、おかあさんが答えました。
「クリスマスの朝、枕の下をごらんなさい。見つかるでしょうよ。」
ばあやのハンナが、テーブルを片づけているあいだに、四人の少女たちは、あたらしい計画について話し合い、それからマーチおばさんの敷布をつくるために、四つの小さな仕事かごがもちだされ、せっせと針をはこぶ[#「はこぶ」は底本では「ぱこぶ」]のでしたが、今夜はこのお
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