はだかに
なつちやつて
露の水風呂《みづぶろ》
つかふんだ。
花のにほひの
とけこんだ
露は身體《からだ》に
しむだらう。
ぼくは顏だけ
出したまま
ララララララと
うたふんだ。
とても巨きな
白い百合
咲いてるとこを
知らないか。
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芒と月
さつさ、すすきの
白い穗は
風に吹かれて
みなうごく
さつさ、うごけば
白い手よ
おいでおいでと
みなまねく。
さつさ、まねけば
雲《くも》のかげ
月がちらりと
顏出した。
さつさ お月さん
出した顏
にこにこわらつて
まんまるい。
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青いかげ
青いね、青いね
森のなか
お顏のうへの
青いかげ
白い服にも
青いかげ。
青いね、青いね、
森のなか
心にもさす
青いかげ
心がひつそり
澄んで來《く》る。
青いね、青いね、
森のなか
ときどきみんなで
來てみよね
なんだかふしぎな
ところだね。
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秋風
この風こそは
秋風よ
さらさらさらと
さびしいよ。
山の兎は
長い耳
立ててひつそり
聞いたらう。
山の小萩《こはぎ》は
ほろほろと
花をこぼして
吹かれたらう。
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