ょう! あたしも行って、その方を見たいわ。』
『わたしたちは、今夜も踊りに行って、またお目にかかるのよ。うらやましいだろう?』
シンデレラは、いいました。
『姉さんのふだん着でもいいから、貸して下さらない? あたしも一度でいいから、舞踏会へ行ってみたいわ。』
『だめ、だめ、あんたのような燃えがら姫に貸したら、一度でよごされてしまうわ。』
シンデレラは、この意地わるの姉娘たちと、それ以上、話す気持になれませんでした。
その晩も、姉娘たちは、きれいに着飾って舞踏会へ行きました。
シンデレラも、そっと家を出てお婆さんのところへ行きました。お婆さんはシンデレラを、昨夜よりももっと美しくしました。そして昨夜とおなじ六頭立の馬車で行かせました。
王子さまは、シンデレラの来るのを待っていましたから、たいそう喜んでいいました。
『昨夜はいつお帰りになったか知りませんでした。それで、お見送りもしないで、大変失礼いたしました。』
もちろん、王子さまに見送られては大変です。今夜もそっと帰らなくてはならないと、シンデレラは考えました。けれど、王子さまと楽しく踊っているうちに、いつ知らず時間がたって
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