には、かはいらしい女の子が生れました。星の女には、その女の子がかはいくつて/\たまりませんでした。
或《ある》日|猟人《かりうど》の生れた遠い町からはる/″\使《つかひ》が来ました。猟人のお父さまが病気で死にかゝつてゐるといふ知らせです。猟人はびつくりして、
「私《わたし》はこれからすぐにいかなければならない。」と言ひました。星の女はそれを聞いて、
「でもその長い旅の途中で、わるい獣にお殺されになつたらどうなさいます。」と言つて泣きました。猟人は星の女をなだめて、
「そんな心配はけつしてない。私《わたし》の父さまには私より外には子が一人もないのだから、どうしても私がいつて、やすらかに目を閉ぢさせて上げなければかはいさうだ。おとむらひをすませたら、すぐにかへつて来る。どうぞ子どもたちと一しよにまつてゐておくれ。七日たつたらかならずかへつて来る。」と言ひました。すると一ばん上の男の子が、
「私《わたし》は父さまと一しよにいつて、お祖父《ぢい》さまを見て来たい。」と言ひました。猟人は、
「お前はみんなと一しよに家《うち》にゐて、どろ坊の番をしておくれ。」と言ひました。男の子は、
「それでは
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