貴《とうと》くありけり。
という歌をお送りになりました。これは、
「赤い玉はたいへんにりっぱなもので、それをひもに通して飾《かざ》りにすると、そのひもまで光って見えるくらいですが、その赤玉にもまさった、白玉のようにうるわしいあなたの貴いお姿《すがた》を、私はしじゅうお慕《した》わしく思っております」という意味でした。
命《みこと》はたいそうあわれにおぼしめして、私もおまえのことはけっして忘《わす》れはしないという意味の、お情けのこもったお歌をお返しになりました。
命は高千穂《たかちほ》の宮というお宮に、とうとう五百八十のお年までお住まいになりました。
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八咫烏《やたがらす》
一
鵜茅草葺不合命《うがやふきあえずのみこと》は、ご成人の後、玉依媛《たまよりひめ》を改めてお妃《きさき》にお立てになって、四人の男のお子をおもうけになりました。
この四人のごきょうだいのうち、二番めの稲氷命《いなひのみこと》は、海をこえてはるばると、常世国《とこよのくに》という遠い国へお渡りになりました。ついで三番めの若御毛沼命《わかみけぬのみこと》も、お母上のお国
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