答えがありました。天皇はそれをお聞きになると、びっくりなすって、
「これはこれはおそれおおい、大神《おおかみ》がご神体をお現わしになったとは思いもかけなかった」とおっしゃって、大急ぎで太刀《たち》や弓矢《ゆみや》をはじめ、お供《とも》の者一同の青ずりの着物をもすっかりおぬがせになり、それをみんな、伏《ふ》し拝《おが》んで、大神《おおかみ》へご献上《けんじょう》になりました。
すると大神《おおかみ》は手を打ってお喜びになり、その献上物《けんじょうもの》をすっかりお受けいれになりました。それから天皇がご還幸《かんこう》になるときには、大神《おおかみ》はわざわざ山をおりて、遠く長谷《はつせ》の山の口までお見送りになりました。
五
天皇はつぎにはまたあるとき、その長谷《はつせ》にあるももえつきという大きな、大けやきの木の下でお酒宴《さかもり》をお催《もよお》しになりました。
そのとき伊勢《いせ》の生まれの三重采女《みえのうねめ》という女官《じょかん》が、天皇におさかずきを捧《ささ》げて、お酒をおつぎ申しました。すると、あいにく、けやきの葉が一つ、そのさかずきの中へ落ちこ
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