すさのおのみこと》には、あんなひどい乱暴《らんぼう》をなすった罰《ばつ》として、ご身代をすっかりさし出させ、そのうえに、りっぱなおひげも切りとり、手足の爪《つめ》まではぎとって、下界へ追いくだしてしまいました。
そのとき須佐之男命《すさのおのみこと》は、大気都比売命《おおけつひめのみこと》という女神に、何か物を食べさせよとおおせになりました。大気都比売命《おおけつひめのみこと》は、おことばに従って、さっそく、鼻の穴《あな》や口の中からいろいろの食べものを出して、それをいろいろにお料理してさしあげました。
すると須佐之男命《すさのおのみこと》は大気都比売命《おおけつひめのみこと》のすることを見ていらしって、
「こら、そんな、お前の口や鼻から出したものがおれに食えるか。無礼なやつだ」と、たいそうお腹立《はらだ》ちになって、いきなり剣を抜《ぬ》いて、大気都比売命《おおけつひめのみこと》を一うちに切り殺しておしまいになりました。
そうすると、その死がいの頭から、かいこが生まれ、両方の目にいねがなり、二つの耳にあわがなりました。それから鼻にはあずきがなり、おなかに、むぎとだいずがなりました
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