いものですから、たいそうふしぎにおぼしめして、あとで武内宿禰《たけのうちのすくね》を召《め》して、
「そちは世の中にまれな長命の人であるが、いったい日本でがんが卵をうんだという話を聞いたことがあるか」とこういう意味を歌に歌っておたずねになりました。
 宿禰《すくね》は、
「なるほど、それはごもっとものおたずねでございます。私もこれほど長生きをいたしておりますが、今日まで、かつてそういうためしを聞きましたことがございません」と、同じように歌に歌って、こうお答え申しあげた後、おそばにあったお琴《こと》をお借り申して、
「これはきっと、あなたさまがついに天下をお治めになるというめでたい先ぶれに相違《そうい》ございません」と、こういう意味の歌をお琴《こと》をひいて歌いました。皇子《おうじ》はそのとおり、十五人もいらしったごきょうだいの中から、しまいにお父上の天皇のおあとをお継《つ》ぎになりました。
 ご即位《そくい》になった後、天皇は、あるとき、高い山におのぼりになって四方の村々をお見しらべになりました。そしてうちしおれておおせになりました。
「見わたすところ、どの村々もただひっそりして、家々
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