うちでは、
「これはほんとうの神さまではあるまい。きっといつわりを言う神が乗りうつったにちがいない」とおぼしめして、それなりお琴《こと》をおしのけて、だまっておすわりになっていました。
 すると神さまはたいそうお怒《いか》りになって、
「そんな、わしの言葉《ことば》をうたぐったりするものには、この国も任《まか》せてはおかれない。あなたはもう、さっさと死んでおしまいなさるがよい」と、おおせになりました。
 宿禰《すくね》はその言葉を聞くと、びっくりして、
「これはたいへんでございます。陛下よ、どうぞもっとお琴をおひきあそばしませ」と、あわててご注意申しあげました。
 天皇は仕方なしに、しぶしぶお琴をおひき寄せになって、しばらくの間、申しわけばかりにぽつぽつひいておいでになりましたが、そのうちにまもなく、ふッつりとお琴の音《ね》がとだえてしまいました。
 宿禰《すくね》はへんだと思って、灯《ひ》をさし上げて見ますと、天皇はもはやいつのまにかお息が絶えて、その場にお倒《たお》れになっていらっしゃいました。
 皇后も宿禰《すくね》も、神さまのお罰《ばつ》に驚《おどろ》き怖《おそ》れて、急いでそ
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