わりお手近《てぢか》のご用は、わざとほかの者にお言いつけになって、それとなく二人をおこらしめになりました。
 大碓命《おおうすのみこと》はそんな悪いことをなすってからは、天皇の御前《ごぜん》へお出ましになるのをうしろぐらくおぼしめして、さっぱりお顔をお見せになりませんでした。
 天皇はある日、弟さまの皇子《おうじ》の小碓命《おうすのみこと》に向かって、
「そちが兄は、どういうわけで、このせつ朝夕の食事のときにも出て来ないのであろう。おまえ行って、よく申し聞かせよ」とおっしゃいました。
 しかし、それから五日もたっても、大碓命《おおうすのみこと》は、やっぱりそのままお顔出しをなさらないものですから、天皇は小碓命《おうすのみこと》を召《め》して、
「兄はどうして、いつまでも食事《しょくじ》に出て来ないのか。おまえはまだ言わないのではないか」とお聞きになりました。
「いいえ、申し聞かせました」と命《みこと》はお答えになりました。
「では、どういうふうに話したのか」
「ただ朝早く、おあにいさまがかわやにはいりますところを待ち受けて、つかみくじき、手足をむしりとって、死体をこもにくるんでうッちゃ
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