の方には、皇子のお目を慰《なぐさ》めるために、青葉で、作りものの山がこしらえてありました。
皇子はそれをご覧《らん》になって、
「あの川下に、山のように見えている青葉は、あれはほんとうの山ではないだろう。神主《かんぬし》たちが大国主神《おおくにぬしのかみ》のお祭りをする場所ででもあるのか」と突然こうお聞きになりました。
お供の曙立王《けたつのみこ》や兎上王《うがみのみこ》たちは、皇子がふいにおものをおっしゃれるようになったので、びっくりして喜んで、すぐに早うまのお使いを立てて、そのことを天皇にお知らせ申しました。
皇子はそれからほかのお宮へお移りになって、肥長媛《ひながひめ》という人をお妃《きさき》におもらいになりました。
ところがあとでご覧《らん》になりますと、それはへびが女になって出て来たのだとわかりました。皇子はびっくりなすって、みんなとごいっしょに船に乗ってお逃《に》げになりました。
するとへびの媛《ひめ》は、皇子のおあとを慕《した》って、急いで別の船をしたてて、海の上をきらきらと照らしながら、どんどん追っかけて来ました。皇子はいよいよ気味《きみ》が悪くおなりになって
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