毘古命《おおひこのみこと》は天皇にそのしだいをすっかり申しあげて、改めて北陸道《ほくろくどう》へ出発しました。
そのうちに大毘古命《おおひこのみこと》の親子をはじめ、そのほか方々へお遣《つかわ》しになった人々が、みんなおおせつかった地方を平らげて帰りました。そんなわけで、もういよいよどこにも天皇におさからいする者がなくなって、天下は平らかに治まり、人民もどんどん裕福《ゆうふく》になりました。それで天皇ははじめて人民たちから、男から弓端《ゆはず》の調《みつぎ》といって、弓矢でとった獲物《えもの》の中のいくぶんを、女からは手末《たなすえ》の調《みつぎ》といって、紡《つむ》いだり、織ったりして得たもののいくぶんを、それぞれ貢物《みつぎもの》としておめしになりました。
天皇はまた、人民のために方々へ耕作用の池をお作りになりました。天皇の高いお徳は、後の代《よ》からも、いついつまでも永《なが》くおほめ申しあげました。
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おしの皇子《おうじ》
一
崇神天皇《すじんてんのう》のおあとには、お子さまの垂仁天皇《すいにんてんのう》がお位をお継《つ》ぎになりました。
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