か。お前は灯はともさないと言い張るそうだが、暗《くら》がりで画がかけるのか。」とお聞きになりました。
 ウイリイは仕方なしに、羽根のことをすっかりお話ししました。すると王さまは、その羽根を見せよと仰《おっしゃ》いました。
 王さまはウイリイが言ったように、羽根を三枚ならべて、まん中に見える女の顔をごらんになると、びっくりなすって、
「これはだれの顔か。」とお聞きになりました。ウイリイは自分でも知らないのですから、だれの顔だとも言うことが出来ませんでした。
 そうすると王さまは、
「お前はわしに隠しだてをするのか。それではわしが話してやろう。これはこの世界中で一ばん美しい王女の顔だ。」とお言いになりました。
 王さまは今ではよほど年を取ってお出《い》でになるのですが、まだこれまで一度も王妃《おうひ》がおありになりませんでした。それには深いわけがありました。王さまは、お若いときに、よその国を攻めほろぼして王をお殺しになりました。その王には一人の王女がありました。王さまは、それを自分の王妃にしようとなさいました。そうすると、王女はこっそりどこかへ遁《に》げてしまって、それなり行《ゆ》く方《え
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