そのうちにウイリイは、ふと、向うの方に何かきらきら光るものが落ちているのに目をとめました。それは金《きん》のような光のある、一まいの鳥の羽根《はね》でした。ウイリイは、めずらしい羽根だからひろっていこうと思って、馬から下《お》りようとしました。すると馬が止めて、
「いけません/\。ほうっておおきなさい。それをおひろいになると大へんなことがおこります。」と言いました。ウイリイはそのまま通り過ぎました。
ところが、しばらくいくと、同じような金色に光る羽根がまた一本おちています。こんどのは前のよりも、もっときらきらした、きれいな羽根でした。
ウイリイは馬から下りて、ひろおうとしました。そうすると馬がまた、
「そっとしておおきなさい。それを拾うと、あとで後悔しなければなりませんよ。」と言いました。で、またそのままにして通りすぎましたが、しばらくするとまた一本、前の二つよりも、もっときれいなのが落ちていました。馬はやっぱり、
「およしなさい、およしなさい。」と言いました。
「私のいうことをお聞きなさい。悪いことは言いません。」
こう言ってしきりにとめましたが、ウイリイはほしくて/\たまら
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