もらいに来ました。
しかし王女は、どんなりっぱな人のところから話があっても、厭《いや》だ、と言って、はねつけてしまいました。
世界中の王さまや王子たちは、それでもまだこりないで、なんども出かけて来ました。
王女は、うるさくてたまらないものですから、とうとうお父さまの王さまに向って、
「ではだれでも三晩《みばん》の間《あいだ》、私《わたくし》をお部屋の外へ出さないように、寝ずの番をして見せる人がありましたら、その方のお嫁になりましょう。」と言いました。
王さまはさっそくそのことを世界中へお知らせになりました。そのかわり、もし途中で少しでもい眠りをすると、すぐにきり殺してしまうから、そのつもりでおいで下さいとお言いになりました。
すると方々の王さまや王子たちは、何だ、そんなことなら、だれにだって出来ると言って、どんどんおしかけて来ました。
ところが、夜になって、王女のお部屋へとおされて、しばらく王女の顔を見ていると、どんな人でもついうとうと眠くなって、いつの間にかぐうぐう寝こんでしまいました。それで、来る人来る人が、一人ものこらず、みんな王さまにきり殺されてしまいました。
す
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