p語の既修者には一見窮屈のやうに思はれ、又表現が單調に感ぜられるであらうが、初學者にはその言葉遣ひ等が規則的で、據り所があるから氣が散漫にならず、常に思想發表の樣式に整理が出來て却つて學習が效果的に行はれるであらう。又英語の既修者でも普通の人は、Basic を知つてゐて日常の會話、作文、書簡等にこれを應用するならば、語の選擇等に徒に惑ふことなく、且つ見苦しい誤りをせずに早急の用に間に合せることが出來て、極めて便利なことは筆者の常に經驗してゐるところである。
 リチャーヅ氏の支那に於ける實地教授の經驗によれば、第一學年で先づ Basic 語彙のうち500語を教へ、大體二ヶ年を以て英語の正確なる基礎的知識を與へることが出來て、從來の方法によるよりも遙によい結果を得るといふことである。*我國に於ても今は議論よりも實行によつて Basic の價値を驗すべき時であると思ふ。

 * I.A. Richards : "Basic English and its Applications."(Journal of the Royal Society of Arts[#「Journal of the R
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