{習の途中に於いて徒らに他の語を教へることは、却つてその組織を亂し、Basic 語彙の働きを邪魔することになる。又他の語をいくら殖しても、850語を十分に覺えてしまふ迄は、實用上の效果は期待出來ないであらう。
Basic の慣用句は總て既によく理解せられた「作用詞」、「方向詞」等の基本的な語毎の意味からの自然な發展といふ點に重きを置いたのであつて、これは意味の擴張の場合と同樣である。故に餘りイディオマチックなものは之を排除したのである。而して Basic を組織する勞力の大部分は此等の慣用句の明細な目録の作成に費されたのであつて、其の結果は The Basic Words[#「The Basic Words」は斜体] に收められてゐる。そして此等の慣用句を構成する各語は各々明らかな意味を持つてゐるのであるから、慣用句の表はす意味も從つて容易に理解せられることになる。即ち、その表現が具體的で生々としてゐて、ラテン系の語の二つ或はそれ以上の觀念を一語に壓縮してゐるものよりも一層感覺的に學習者の腦裡に印せられるといふ利便をさへ持つてゐるのである。一般に我々教師は、唯英語の此の點が彼の點より
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